馴れ初め
                         鋼雅 暁様






 首筋に、わずかな視線を感じたような気がして、セイは畳を拭く手を止めて辺りを見回した。
 誰も居ない。
 居るはずが、ない。
 ここは、あの鬼副長の私室なのだから。

 何時の頃からか、セイが副長の私室をちょこちょこ掃除するようになっていた。それは、皆が知っていた。
 自然、副長の身の回りの世話をする回数も増えていき、一番隊の部屋に居るより副長の部屋に居る事のほうが多くなり、ついに前回の異動でセイは副長付小姓になった。
 さほど驚きはしなかったが、そうなるように仕向けたのが総司だとわかったときは絶望した。
 絶望し、悲しみ、土方が困惑するほどに取り乱した。
 しかし、思いのほか優しい土方に接するうち絶望が解けていき、何時の間にかセイは彼を慕っていた。
 その「慕う心」が恋かどうかなんて、セイにはわからない。
 今はまだ、どうでもいい、と思っている。傷つきたくないから、封印しておく、そう決めたのだ。

 土方は、執務室からセイの様子を見るのが日課になった。
 無理やりセイを一番隊から引き離し、副長付小姓にした総司のやり方は、酷い、と思った。
 案の定、セイは激しく傷つき、苦しみ、もがいた。
 その姿は、自分がからかっていた「童」ではなく、一人前の、恋に苦しむ「女」で、そのことに気づいた途端、土方は動揺した。
 しかし、土方にはその苦しみを取り除いてやる事が出来ず、ただただ、こうして見守るしか出来ない自分が歯がゆい。
 何度、駆け寄って抱きしめて俺のものになれ、と叫びたかった事か。
 だいたい、そのように恥ずかしい科白など、使った事もなければどこで覚えたのか、それすらも記憶にない。
 己の中に、そのような情があったことにも、土方は驚いていた。


 「副長、お茶をお持ちしました」
 涼やかな声で、セイが入ってくる。
「二人の時は、名前でいいぞ、セイ」
「はい、歳三さま……って、ええ!?」
「しまった!」
 思わず、いつも心の中で相手を呼んでいる呼び方を声に出してしまった二人。
 それに気づいた双方、同時に赤面し。
 照れ屋の二人が、こそこそと交際を始めるのは、もうまもなくだ。
















『河辺の家』の鋼雅 暁様から、またもや戴いてしまいました(*^▽^*)
それも【歳セイ】ですよ〜vv うふふv
【総セイ】サイト様から【歳セイ】戴くなんて本当に嬉しいです♪
だって私のために…という気がするじゃないですか(笑) (…激しく勘違いだから/心のツッコミ)
なぁんて。たぶん心優しい鋼雅様がちょっと落ち込んでいた私のために下さったのでしょう。(*^-^*)
本当にありがとうございます。


『馴れ初め』まだ初々しい二人の雰囲気がある意味新鮮です(笑)
素敵な御品をありがとうございますvv
鋼雅様の御宅には、素敵な現代版【歳セイ】もあるのですよねっ。
これからのご活躍、とっても楽しみですvv
そして、こんな管理人ですが、これからも仲良くしてくださいね(*^^)v








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