夏の月
まるる様
私はいつ 罰を受けるのでしょう?
そこは小さい部屋です。少し小汚い気もします。
ですが。私と先生は、大概はその盆屋を利用しました。
私の格好を見ても、何の戸惑いもみせず無口な主人がいるからです。
「……先生…暑いです……」
背中から私を抱きしめている、沖田先生に言いました。
何もせずとも汗が吹き出る京の夏。
それは夜になっても変わりません。
なので、ほんの少し。窓を開けています。
外は川辺で、二階のこの部屋を覗く人などおりません。
あ。だけど。
「……月が……」
夏の月はまだ白く、淡い青い色をしています。
もうすぐ満月なのでしょうか?
まだ少し楕円に近い、その月を。
先生が見上げた気配がします。
「……綺麗ですね」
「……はい」
先生の言葉に頷きました。
「……私には、神谷さんの方が綺麗に見えますけど……」
そう言いながら、先生は私の首筋を舌で舐め上げます。
私の体は、その感触にブルリと震え。
「もう…何を言っているんですか……」
文句を言いながら、離れようとすると、先生はいつのまにか私を抱き上げ、膝の上へと乗せました。
「……本当のことです」
先生は私の胸へと顔を埋めます。
そのまま袷を肩から滑り落とし、晒しの端を手探りで探します。
その手が、指がくすぐったくて。
私は笑いそうになるのを必死に抑えながら、沖田先生の頭を抱えました。
見上げれば。
青い月が私を照らしています。
この月明かりは、きっと。
私と先生の密事。全てを知っている。
そして。 沖田先生でさえ知らない、私自身を。
沖田先生。
先生が私を抱く度に。 その度に、我侭で貪欲な私が生まれ落ちていきます。
先生を独り占めしたい。このままずっと抱き合っていたい。
ずっとずっと、私だけの先生でいて。 私だけを見て。
愛して。
なんて愚かで、自己中心的な願い。けして、叶うことのない願い。
分かっています。
だけど。その願いが、叶わぬと分かっていても。
今日も私は、先生に身を委ね。 “愛しさ”と、“憎しみ”が入り混じる気持ちになります。
もう、いっそうのこと……と。何度思ったことでしょう?
先生。 先生。 先生。 沖田先生。
夏の暑い夜。
月は。 全てを知っています。
この清い光りは。 いつか私を罰するのでしょう。
その時は、先生。
どうぞ、この月灯りの下で。
2005年 夏
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暑中お見舞い申し上げます。
流行の『微エロ』を目指したのですが、見事撃沈。
ただの暗いセイちゃんになってしまいました……。
こんなのでよければですが。どうぞもらってやってくださいませ。
暑い日が続きます。体調等、崩されぬようお気をつけください。
『marble-cafe』 まるる

『marble-cafe』のまるる様からとっても萌え〜な暑中見舞いを戴きました。
まるる様、ありがとうございます(>∇<)
いえいえ「微エロ」どころか、これって表に飾れるの??と途中まで読んでいくうちに思ってしまいましたよ(笑)
素材もイメージピッタリだったので同じように飾らせていただきました。
セイちゃんの、ずっとこのままで、私だけを見て、という気持ち…
そしてそんなことを思う自分はいつか罰せられるだろうというある種の後めたさみたいなもの…
それでもきっと今の想いを捨てることは出来ないのでしょうね。
今セイちゃんは幸せなのだから。
しっとりとした綺麗なお話でした。
まるる様にはこちらこそお世話になりっぱなしで…恐縮です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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